高浜~横河原線直通化プロジェクト
- 2023.03.03
- 伊予鉄の歴史
こんにちは!いよ子です。
今回は昭和56年に開始された高浜~横河原線の直結・直通運転、15分ごとのダイヤがどのようにして実現されたかをご紹介したいと思います♪
1.背景
横河原線は昭和42年の電化をきっかけに、それまでの高度経済成長によるマイホーム建設ブームの中、沿線の住宅建設が物凄い勢いで進んでいました。
それに伴い、電車を利用するお客さまの増加も目立っていました。こうした状況から、昭和53年に横河原線のラッシュ時4両連結化が実施されました✨
しかしながら、当時の横河原線と高浜線の接続は松山市駅での乗り換えが必要で、待ち合わせ時間には長い時で13分を要し利用者の方々には大変ご不便をおかけしていました。
沿線での都市化が進む横河原線は旅客輸送シェアも当時の主力路線である高浜線と肩を並べるほど広がり、将来もこの傾向は高くなるものと予想されました。
そこで!
「高浜線と横河原線を直結することは鉄道本来の長所である長距離輸送の効果が上がるうえ、サービス向上による利用者の増加につながるもの」と判断され、両線の直通運転と合わせて横河原線の輸送力強化のため、15分ごとの運転計画が具体化されました💡
2.直通化実現までの道のり
① 駅の移設
高浜~横河原線の直通化計画は昭和54年5月にスタート!
まず、15分ごとのダイヤ実現に向けては、駅の新設及び移設、行き違い駅の設備、これらに伴なう用地の取得などが必要でした。
この計画で移設の対象となった駅が久米駅、梅本駅、見奈良駅です💡
これらの駅は次のように移設されました。
・久米駅…約172m松山市駅寄りに移設
・梅本駅…約168m横河原駅寄りに移設
・見奈良駅…約93m松山市駅寄りに移設
用地の取得に関しては、地主等との交渉時間の大半が夕方より相手方へ出向き、長時間になると深夜にまで及ぶ交渉を重ねたそうで、かなり苦労されたようです💦
②『愛大医学部南口駅』の新設
また、直通化計画の中で新設されたのが『愛大医学部南口駅』!!
愛大医学部と同付属病院が昭和51年に設立されたことにより、かねてより県から最寄駅の新設要請がありましたが、当時の運行ダイヤでは実現が不可能だったそうです。しかし、この計画によって新駅の設置が可能となったため、見奈良~横河原間のほぼ中間の県有地を一部買収して『愛大医学部南口駅』が新設されました✨
③ 松山市駅構内の改造工事
さらに、松山市駅も構内の改造が必要でした。
松山市駅構内において、線路の制約上、高浜行きは郡中線と同じホームを使用することとなったため、朝のラッシュ時などの時間帯では当初のホームでは満杯状態となることが予想されました。。
その課題を解決するために線路を一本埋めて、同ホームの収容可能人数を1,000人とする拡幅等の工事を実施!!
その結果、松山市駅における列車運用スペースが若干制限されましたが、両線の直通線路が実現されたんです✨
今回の一連の工事は営業を継続しながら行われ、松山市駅における二度三度に渡るのりば変更、同構内における400種類に及ぶ信号故障を想定しての徹夜での継電器連動検査など数え上げればキリがないほどだったそうです💦
3.計画の実現
昭和54年5月にスタートしたこの計画はすべての工事完了までに約2年を要し、昭和56年7月に松山市駅構内の改造工事完了によって一番線で高浜線と横河原線を直結し、8月10日に無事に直通運転を開始しました。
ちなみに、この工事はその当時としては画期的な大工事だったこともあり、当初予想された建設費用の予算額を4億円オーバーする12億円となったそう😲
直通運転開始当日は当時の高松陸運局長をお迎えし、利用者代表の小学生二人、そして当時の伊予鉄11代社長である新野氏の手により乗務員への花束贈呈の後、華やかなテープカットが行われました✨
今としては当たり前になっている高浜~横河原線の直通、15分ごとのダイヤは歴史を振り返ってみるとかなりの苦労の末、実現された一大プロジェクトだったんですね!
4.高浜横河原直通運転記念乗車券
そして、気になっている方いらっしゃるかと思います。
もちろん存在しますよ!記念乗車券✨✨
調べてみると、3種類(坊っちゃん列車、ディーゼル列車、ボギー電車の図柄)1セットで当時500円で販売されていたようです💡
いよ子、今回も頑張って倉庫の中から探してきました~!
この高浜横河原直通運転記念乗車券、記録用として倉庫で保管していましたが、今回、4セット限定で皆さまに販売することにします✨
この記念乗車券を皆さまにもぜひ手に取っていただきたいです!
いよてつネットショップで販売しています。無くなり次第終了ですので、気になる方はお早目に!
※なお、当乗車券は現在は利用できませんので、ご理解の上ご購入ください。
それでは今回のブログはこのへんで!次回もお楽しみに🥰
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