定時運行への挑戦!バスの遅れの正体は…?

いよ子です。
皆さん「路線バス」にどのようなイメージを持っていますか?🧐

時刻表の時間から遅れる可能性があり、自分の計画通りに行動できるか不安…
といったイメージはないでしょうか。

ご利用いただいている皆さまにはご迷惑をお掛けしていますが、実際に鉄道に比べて遅れが出やすいということは、結果としてあらわれているのが現状です。。。

そこで、今回はなぜバスが遅れやすいのかを解説していきます!

遅れが発生する原因

 バスに遅れが発生する原因は、大きく3つです。

①道路渋滞等の影響

 これは、すぐにわかるかな?マイカーを運転している場合も、交通渋滞が起これば、想定通りの時間に目的地へ到着することは難しいですよね😥 バスについても同様です。

雨の日の渋滞イメージ

②お客さまが多くなったときの乗降時間

 特に雨の通勤時間帯でよく起こります。雨の日は車が多く渋滞もよく起こりますが、バスをご利用いただくお客さまも晴れの日より多いため、バス停で乗り降りする時間も多くかかることになります。

バスへ乗り降りする様子

 また、雨の日は傘の折り畳みの時間もかかるため、一人の乗り降りにかかる時間も長くなります。このため、1つ1つのバス停で普段より時間がかかり、遅れに繋がるのです。

 多くのお客さまにご利用いただける雨の日は、私たちにとって大変うれしいことですが、遅れに関しては悪影響となり、「多くのお客さまがご利用される」⇒「多くのお客さまへ遅れのご迷惑をかけてしまう」といった状況であるため、うれしさ半分、申し訳なさ半分といったところです。

③そもそも定時運行することが難しい!?

 原因というか、「そんなこと言ったらダメでしょう!」とお叱りを受けてしまいますね💦

 ここで申し上げたいことは、遅れが出ないような時刻表の設定が難しいということです。時刻表の設定が難しいから、遅れも出てしまうということなんですが、よくわからないですよね・・・。

ということで、次章で「時刻表をどのように決めているか」についてご説明します💡

バスの時刻表(運行計画)はどうやって決めてるの?

 バスの時刻表はどうやって決めているのでしょうか。“基本的には”、過去の運行状況から、平均的な運行時間をもとに時刻表を設定しています。もちろん平均をとる際には、遅れが出やすい雨の日や事故等で渋滞が発生したといった極端なデータを除いています。みなさんもここまでは「平均値で決めているなんて当たり前のことでしょ」と思われたでしょう。

 しかし、“基本的には”と書いた通り、平均値以外にもう一つ重要なことを踏まえて、最終的な時刻表を決定しています。その重要なこととは・・・・・

 コレなのです! ってコレはなんでしょう?コレは、バス停でたまに見かける道路の「切り込み」(バスを停車させるためのスペース)です。

 この「切り込み」こそが、時刻表を決める際に重要な最後のピースなのです!!

 バスの遅れでよくお叱りいただく内容で「何日かに1回バスが数分遅れてくるけど、それなら遅れる時間をそもそも時刻表に設定したらいい」といったものがあります。

 たしかに遅れる時間をもとに時刻表を設定すれば、計画通りに運行できます。しかしそれには重大な問題があります⚠️

 遅れがでなくて早くバス停に到着した場合にどうしますか?早く到着したから早く出発・・・、これは業界用語で“早発”といって、絶対ダメな行為です🙅‍♀️

 では、時刻表の時間になるまでバス停で待つ・・・道路上で・・・数分間・・・通勤時間帯に・・・、バスの待ち時間のせいで道路はますます大渋滞ということになりますよね。

 ところが「切り込み」があるバス停なら、後続の車が右から追い越すスペースがあるため、ある程度待つことはできるわけです。すべてのバス停に「切り込み」があれば、余裕のある時刻表を設定し、計画通りの運行ができるかもしれませんが、実際に「切り込み」のあるバス停は多くありません。

 このため、時刻表を設定する場合に、余裕のある計画とすることが難しいのです。つまり、渋滞がひどくなく、晴れた日の運行時間を基本として時刻表を設定せざるを得ず、結果として少しの渋滞などで遅れが発生してしまうわけです😢

バスの遅れに関するよもやま話

 現在は、“バスロケ”装置によって、「バスが何時何分にどこのバス停を出発した」といったデータを取ることができるようになりました。これをもとに精度の高い時刻表設定をすることができるようになりましたが、20数年前にはバスロケなどありませんでした。

 このため、当時は運転士や利用した社員、お客さまからの情報などから時刻表の設定をしていましたが、現在に比べるとその精度は・・・残念なものだったそうです。

 また、このバスロケは早発ブザーといった装置もついており、早発したもしくは早発しそうな場合には、運転士に警告する装置がついています。この装置によって早発を予防できるようになりました。

 しかし、バスロケのない頃、特にお正月1月1日の朝などは、お客さまも車も極端に少ないために、早発もあったとかなかったとか・・・。(なかったと思いたいですが、記録もないため真相はわかりません。)

さいごに

 ここまでバスの遅れの原因など語ってきましたが、遅れが出た際には多くのお客さまへご迷惑をお掛けし、本当に申し訳ありません。

 可能な限り遅れがでないよう、これからも全力で取り組みます!

 それでも、100%は難しいのが現実ですので、「スマホバスロケ」で待ち時間を確認したり、雨の日は一便早いバスをご利用いただいたり、などのご協力いただけると幸いです。

バス停時刻表に掲載しているスマホバスロケのQRコード

今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。

次回のブログもお楽しみに♪


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