花電車回顧録
- 2023.09.01
- 伊予鉄の歴史
いよ子です。
9月は伊予鉄にとって特別な月。いわゆる誕生月です。
1887年(明治20年)9月14日(水)が創立日なのですが、運転を開始したのはその翌年、10月28日(日)でありました。
ちなみに本年で創立136年を迎えます。
創立からの大きな節目といえば「100周年」。多くの企業がその節目に合わせて記念行事を行います。
今から約36年前の伊予鉄100周年はどうだったのか。
記念行事をピックアップしてみると
・花電車運行
・伊予鉄道百年史発刊
・香港チャーター便就航
・鉄道おもしろ博
・百周年記念1日乗車券
・百八煩悩消滅の旅(遍路の特別コース)
・鉄道唱歌カセットテープ制作
などなど。
そんな数ある企画の中で、いよ子の目を引いたのが「花電車」の運行。
「花電車」って一体?どんな電車なのでしょうか。
伊予鉄では数々の記念行事にあわせて花電車を走らせていました。紅白のモールや色とりどりの花、電球で車体を飾り付けた花電車は大人気で、一目見ておこうと、たくさんの人が押しかけたそうです。
今回はかつての松山を彩った「花電車」について、ご紹介します。
最初の花電車は・・・?
いつ頃から「花電車」が登場したか、定かではないのですが、その歴史は古く、1911年(明治44年)の電化開業時に花電車で宣伝したという記録があります。
昭和初期~20年・30年代
結構昔からあったのですね。
昭和40年代以降の花電車
本社ビル落成・いよてつそごうオープン(1971年)
当時のターミナルビルは、伊予鉄の本社機能、市駅、百貨店、という複合ビルとして建設され、7月5日に落成式がありました。この時にも花電車が登場します。
※伊予鉄本社の変遷はコチラ↓
そして20年後(1991年)、いよてつそごうが20周年を迎えた時も花電車が走ります。
車体は20年前にも採用したオープンカーで運行。赤白黄色の造花約15,000本で華麗に装飾されました。また車内には軽快なメロディーに合わせて動くサーカス人形も搭載されていました。(サーカス人形・・・? 気になります)
日本青年会議所全国大会(1975年)
1975年10月9日~11日の3日間、運行した花電車。松山市で開催された日本青年会議所全国大会に協力しての運行でした。花電車としては4年ぶり。伊予鉄本社ビル完成・いよてつそごうオープン以来となりました。船のようなフォルム。いいですね。
松山市制90周年記念(1979年)
その名もずばり「まつやま号」。当時の記録でこんなエピソードがあります。
午前5時。古町の電車庫から上がった歓声。松山市制90周年記念に協賛して製作した花電車の完成です。その名も「まつやま号」。無数のピンクの桜の花(造花)に埋もれた花電車。桜の花の中には2千個の豆電球が埋め込まれていました。これを点滅させる配電が複雑で、桜の花の下にはコードがびっしり。バッテリーは運転台の後ろに収納できる箱を設置。前後5台、合計10台も積み込みました。これでも4時間しか持たなかった。この年の2月22日から25日までの4日間運行されました。
ちなみに、市制100周年の時も花電車が走りました。
全国交通安全運動(1984年)
当時人気があったエリマキトカゲをシンボルにした花電車「安全ぞなもし松山・坊っちゃん号」は斬新なデザインで、PR効果は抜群でした。運行初日には県警のブラスバンドが同乗。バンド演奏しながらの出発だったそうです。
ちなみに、1992年(平成4年)に松山東交通安全協会の主催で、交通安全運動期間中(4月6日~15日)の啓発事業として走らせた花電車はこんな感じでした。
伊予鉄創立百周年(1987年)
冒頭で紹介した花電車。創立100周年記念事業の一環で、9月1日~15日の間、松山市駅~道後温泉駅を営業運転しました。
第5回国民文化祭(1990年)
10月1日~28日の間運行。車両の前面には、電飾パネル製のマスコット「みかちゃん」が大きく飾られました。夜間のイルミネーションも人気でした。
【番外編】イルミネーションと言えば、この電車も思い出されます。
2013年9月、松山市の「花園町通りにぎわい創出事業」の一環で、イルミネーション事業が行われました。伊予鉄では市内電車をLEDで装飾したイルミネーション電車「光のトラム」を9月28日~翌年の1月5日まで運行しました。
ご当地電車の登場
1992年に「交通安全運動」で走った花電車が最後だとすると、もうずいぶん長い間、松山に花電車は走っていないことになります。
しかし、その花電車に変わって、今は愛媛の特産などをPRする「ご当地電車」が登場しました!
2023年9月現在で運行中のご当地電車は5両。
・みかん電車
・タルト電車
・媛ひのき・媛すぎ電車
・砥部焼電車
・今治タオル電車
それぞれ車内にはこだわった展示があり、特色ある吊り革も人気です。
運行ダイヤは日々変わるので、ご当地電車に出会えたらラッキーです♪
ご当地電車について、詳しくはこちら→ご当地電車
花電車の思い出
花電車はその時代の雰囲気を乗せて、松山を走っていました。
華やかな花電車を懐かしく思い出す人も多いのではないでしょうか。
レトロな花電車、復刻運行したら面白いでしょうね
(オープンカーみたいな路面電車、乗りたい・・・)
では、今回はこの辺で。
-
前の記事
徹底取材!バス停の位置はどうやって決まるのか!? 2023.08.25
-
次の記事
松山市内は、右後方にご注意を! 2023.09.08
コメントを書く